白内障の治療
白内障を患っても日常生活に支障が現れなければ、点眼薬や内服薬で進行を遅らせる治療を行います。ただし、これらの治療薬はあくまで進行を遅らせるだけであり、症状や視力を改善させるものではありません。
白内障が日常生活に支障がでるまで進行したら手術を行います。白内障の他にも罹患している病気があれば手術方法の工夫・適切な手術時期の検討を行います。医師とよく相談しながら決めましょう。
こんな時は手術を考えましょう
視力が低下して、仕事に支障がでる
外ではまぶしくて、極端にみえづらい
視力が0.7以下になって、運転免許の更新が出来ない
白内障の手術前検査
白内障の手術前には様々な検査を行います。まずは手術を問題なく行えるか?をチェックします。つづいて治療に使用するために最適な眼内レンズを選定します。眼内レンズはピントが一箇所に固定されるので手術前に医師とよく相談することが大切です。じっくりと相談して自分の生活に合った度数を選定してもらいましょう。
- 視力、眼圧、屈折検査
- 眼底検査 網膜の状態を調べます。
- 細隙灯顕微鏡検査 水晶体の濁りの状態を調べる
- 角膜内皮細胞検査 角膜の内皮細胞が減っていないかを調べます
- 問診、角膜形状解析検査、採血、皮内テストなど ※状態によっては、超音波検査なども行います
白内障手術について
眼球内にある水晶体というカメラのレンズに例えることができる物が濁る症状を白内障と呼びます。主な発病原因は加齢ですが、外傷や他の病気からも白内障になるので老化現象と一つに纏めることはできません。多くの少年層から若年層にかけての年齢層の患者様も白内障を罹患しています。老化が原因の白内障は老人性白内障と呼ばれています。これは80歳以上の方のほぼ全ての方が罹患する可能性があります。
白内障の進行を予防するための点眼薬や内服薬もありますがこれはあくまで予防です。根本的な改善には手術が必要です。
白内障手術の流れ(超音波水晶体乳化吸引術)
- 眼球を切開するために麻酔を行います。切開する部位は水晶体の前方です。
- 濁った水晶体を吸引して取り出すために、水晶体の核と皮質を超音波で砕きます。
- 濁った水晶体を取り出し場所に、直径6mm程の眼内レンズを挿入します。
これは一度、挿入したら取り替える必要がありません。
濁った水晶体の変わりに、自身の生活にマッチした適切な度数の眼内レンズを挿入することでクリアーな視力を再び得ることができます。
当医院では通常使われる「単焦点眼内レンズ」以外にも、「多焦点眼内レンズ」を使った白内障手術にも対応しています。
白内障手術後
手術を終えた直後は「目の充血」「異物感」「涙が出る」「視界が霞む」といった症状が出ることがありますが、数日もしくは1~2週間で治まります。
手術後の1~3ヶ月の間は医師の指示に従い点眼薬を使い、手術のために起きた炎症を抑え感染を予防します。
目の使用は疲れない程度でしたら手術の翌日から可能です。仕事への早期復帰も可能です。
ただ仕事の内容やご自身の全身の状態などによって個人差があるのでまずは医師にご相談ください。
手術後の注意点
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首から下ならば手術翌日から入浴可能です。
洗顔は3日が過ぎるまでタオルで軽く拭う程度にとどめて、水洗いは控えてください。
一週間、経過すれば今までとおり入浴・洗顔が可能となります。
※眼は押さえてしまわないようご注意ください。
- 手術後一週間は傷口がまだ完全に塞がってなくバイ菌が入りやすい状態です。一週間の間は眼を押さえたり、こすったりしないでください。
- 手術後は眼が乾きやすく、疲れを感じやすい状態なので酷使しないように気をつけてください。テレビ鑑賞や読書も程ほどに抑えてください。
白内障手術後
もともと乱視の症状がある場合、白内障手術を行っても乱視は治りません
白内障は水晶体が濁る事によって見えにくくなる状態です。一方、乱視は角膜が歪むために物が二重やダブってみえる状態です。白内障の手術で視界はクリアーになりますが、乱視の改善には全く別の治療が必要となります。乱視のある方は、手術後に乱視用のメガネで対応いただくよう説明しております。